前回の〈テキスタイルシミュレーションの基本機能〉では、経緯の糸と組織を設定し、縞を入力して作成する、テキスタイルモジュールのなかで、最も基本的な機能をご紹介しました。
今回は基本機能を応用して、よりこだわったシミュレーションが可能な、ふたつの機能をご紹介します。
二層組織(ダブル・クロス)
二重織や袋織りのような(二枚の布が重なったように織る組織)テキスタイル柄を作成します。
※地合いを厚く丈夫にしたり、袋状や筒状にしたり、リバーシブルなどの両面織物などを織ることができます。(例:経二重組織ーダブル・サテン / 経緯二重組織ー袋織り)
PLANSオリジナルの二層組織エディタを使用することで、難しい二層組織も、完全組織を一から描く必要はありません。図のように、①表裏の組織を設定し、②表裏それぞれの出方を絵を描くように描画すると、③完全組織が自動的に作成されます。
組織の設定をしたら、あとは、基本機能と同じ方法で糸を決め縞を入力するだけです。
また、二層織では縞の入力方法が、二層入力方式(表と裏を分けて縞を入力する方法)と、展開方式(表裏を一緒に合わせる、実際に織機に経糸を並べる感覚での入力方法)の二通りありますので、お好みで切替が可能です。
ドビー組織
ドビー組織とは、ドビー織機で織られた生地のことです。糸の本数や太さなどを工夫して織られる「変わり織り」の一種です。平織りや綾織りなどの生地を地組織として、糸を織り込むことができる柄です。
(例:ドビーストライプ)
4Dbox PLANSでは、地組織とドビー組織をそれぞれレイヤーとして、各レイヤーに組織を読み込んだり描画することで柄を作成します。レイヤーは5層まで色分けして編集可能です。
縞入力は、レイヤーごとに分かれているタブを切り替えて、それぞれの層に縞を入力します。
また、ドビー組織の機能を応用することで、ジャカード風のシミュレーションも作成できます。
ジャカード風組織(ドビー機能の応用)
予め作成した図案に、組織を流し込み、ドビー組織作成画面にペーストすると、図案からあっという間にジャカードのようなシミュレーションが作成できます。
パターン塗りつぶしツールを使用すると、複雑な組織入力をバケツツールの要領でワンクリックで流し込み出来ます。
作成した柄データの活用
作成した柄は、生地のサンプルシミュレーションとしてはもちろんのこと、さらに製品イメージのシミュレーションまで4Dbox PLANS一つのソフトで行うことができます。
・テキスタイル柄の配色プリントで見本帳の代用
・パターンペイント(パターン塗りつぶし機能)を使用してハンガーイラストを作成
・マッピング機能で写真に合成して製品イメージを作成
二層組織とドビー組織を使ったシミュレーションをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
今回お見せしたデータも、全て予め登録されている組織や糸データを使用していますので、どなたでも簡単に作成できます。
4Dbox PLANSのテキスタイル機能をぜひご活用ください。
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